秋の気ままな、かめブログ*

gdgdですが見てやってください(笑)

夕景イエスタディ

夕景イエスタディ(遥貴)

 

なっちゃんリクエストです!!

 

「ふぁー……ねっむ」

 

いつものように睡眠不足で目付きが悪い私は今登校しているのだが、周りではリア充がいちゃいちゃと………

 

全く。朝から呑気な奴らだな……

 

非常にうざったいので、ガンをとばす。

そして、そのリア充共の視線を遮るように、目の前をドヤ顔で横切る。

 

その時、私は何かに勝ったような気がしたのだが、その感情は束の間で、切り抜けた先には寝癖を立たせながら、にっこりと「おはよう」って背伸びをしたアイツがいた。

 

「遥ぁ?!」

 

思わずこんな気の抜けたような声が出る。

 

ぱちっと目が合った。

 

……こんなのが恋だとしても私は全然興味が沸かない。

 

だけど……!

 

「貴音?」

 

「え!?!?な、何!?!?」

 

「いやぁ、なんか顔赤いよ?」

 

「はいぃぃ!?///」

 

何故だろう。遥の顔が見れない………!!!

 

「これは……あの…ちがくて…た、太陽のせいかなぁ!!!」

 

私は太陽が在るであろう方向に指を指し、必死に訴える。

 

「貴音、そっち太陽無いよ…??」

 

なんだこいつ。いつもそんなこと気にしないくせに……

 

「ああもう!!」

 

「あ………ごめん…」

 

「え、いや……良いけど…さ」

 

くそう…太陽め……

自分に「太陽のせい」だと言い聞かせてその憎き太陽を睨み付ける。

 

「た、貴音!?」

 

「あ…ごめん考え事してt…」

 

……思わず顔を逸らしてしまった。

これは恥ずかしい。

 

「……わたし変かも………」

 

「??」

 

「さっきよりも顔赤いよ?本当に大丈夫??」

 

「えぇっ!?!?だ、大丈夫↑(裏返り)」

 

「たっ、貴音……病気の症状………?」

 

こいつは私のことをものすんごい馬鹿な病気だとでも思っているのだろうか。

馬鹿は否定の仕様がないが。

 

「あーもう!違うってば!!ほら、さっさと教室行くよ!!」

 

これ以上話がこじれると面倒くさいので先に教室へ向かう。

 

「あ、た、貴音ー!!まってよー」

 

 

 

「……ふぁー…」

……平凡だ。実に平凡だ。あくびが出るくらい平和でつまらない。

まぁでも、突然「本日世界は終わります」だの言われても困るけど。

 

あの校門付近とは違いここは特別学級で生徒は私と遥しかいないのだから当然としたら当然だ。

 

「ふぅー……」

 

窓を眺めながらヘッドホンをつけてラジオを聞くフリをした。暇だ。

 

「…………」

 

やばい気になる。

自分から「ふぅー……」とかやったくせに暇!!そして周りの無反応!!寂しい!

普段なら「なに聞いてんの〜??」とか聞いてくるのに…

 

「あ、貴音なに聞いてるのー?いつものー?」

 

あ、きた。

 

「………」

これは聞こえないフリだ。無視ではない。

 

「ねー貴音ー」

 

たまにはこういうそっけないのも良いかなと思ってたら遥が私のヘッドホンに耳を近付けてきた。

 

「!!!!?!?!?」

いやいや。普通女子のヘッドホンに耳近付けるか!?……いや、私が区分的に女子だと思われいてたらの話だが。

そんなことを考える内にガタッと席を立ち上がってしまった。

 

「わわっ!」

 

そして立った時あることに気づいた。

 

ヘッドホンのコードがどこにも繋がっていないのが丸見えになってしまったのだ。

 

「あ………」

 

「……ん…??コード?あ、貴音ーこれどこにも繋がってないよ??」

 

「あ、あっれぇー????お、お、おかしいなぁ!!!!」

 

必死にフォローするが、この誤魔化し方は一体何処の大根役者だ。と思うくらい酷かったと思う。

 

「ちゃんと繋げないと駄目だよー??」

 

にこにこしながらこちらを見る遥に私の心(?)は少女漫画みたいにキュンなのかドキッなのか分からないがそんな効果音が鳴った。女子か。……女子だった。

 

 

きっと、時が経ったらこんな気持ちも忘れてしまうだろう

 

でもそんなことならと口に出そうとするが考えた瞬間私の単純な思考回路は直ぐにショートしてしまう。

 

あぁもう!!という言葉もその時はでなかった。

 

「ほら、繋げたよ」

 

ヘッドホンのコードと音楽プレイヤーを繋げた遥が私に「どうぞー」とにこやかに渡した。

 

「あ…ありがと……」

 

駄目だ!!!!なんかめっちゃ恥ずかしい!!!

 

「どういたしましてー」

 

……そうだ!!言葉が駄目なら態度で示せばいいのか!

 

と、まぁ。私はこんな結論を出した。

 

 

…でも態度で示すってどうやればいいんだ??

 

き、キス……とか…?

 

…無理無理無理!!!!!!

何考えてんだ私!!!!!!!

 

「あ、ねぇ貴音〜修正テープ持ってない??」

 

これだ。

 

「…………」

すっと器用に筆箱から修正テープを取りだし、無言で遥に渡す。

 

「ありがとー!」

 

…こんなもんだろうか。

 

「貴音ー??」

 

「おーい」

 

「たーかーねー?」

 

「……聞こえてるってば!!!!何よもうっ」

 

これでは見事に「言葉でなく態度で表そう作戦」が台無しではないか。

 

「あ…えっと、修正テープ返そうかなって」

 

「……あ、ああ。そうなの?…うん」

 

あ。なんか恥ずかしいな…

 

どうしてこいつは私が試行錯誤している事に気付かないんだろうか。

いや、でも気付かれてもなんか恥ずかしいな。

 

だがしかし。こいつの鈍感さにはなんか色々通り越して、呆れる程だ。

 

「なんかもう部活動の人も皆帰ってるねー」

 

「え?ああ。本当だ」

 

窓の外では部活動で疲れきった表情の学生がぞろぞろと群れを成して帰っていた。

 

「そろそろ日も落ちてきたし、帰る?」

 

「……そだね、帰るか」

 

帰る支度をするために、席を立ち上がって気付いた。

あれ?これって一緒に帰宅フラグ?

 

「一緒に帰ろ!貴音っ!」

 

「あ………う、ん」

 

ま じ か。

おいおいまさか私リア充イベを体験してしまうのではないだろうか。

ていうか「一緒に」って今言った?え…?

 

 

………まさか。まさか私がこんな、リア充イベントを体験することになろうとは…。

少なくとも、リア充イベなんか来世までは無いと思っていたのに。意外とあっさりと来てしまったから不思議なものだ。

 

「お腹空いた〜!今日の夜ご飯なんだろー?」

 

私が悶々と考えているのを他所に、遥は隣で能天気な事を言っていた。

 

「…ってか…もう夜ご飯?って……アンタさっきおやつ食べてなかった?」

 

「うん。食べてたよ!」

 

辺りに花を撒き散らしつつ、笑顔で遥は言った。

本当にこいつの胃袋はどうなっているのだろうか。

…しかしまぁ…あれだけ食べてもリスクが無いなど羨ましい限りこの上ない…。

私みたいな花の(?)女子高生なんかは毎日カロリーを気にながら生きていかないといけないと言うのに……。

 

「あ、僕こっちだから」

 

ふと、そんな言葉が聞こえて顔を上げると、遥がこちらを向いて手を振っていた。

 

「あ…そうな、の?」

 

「うん、また明日ね!」

 

「うん…」

 

どうしよう、今日がもう終わっちゃう。

折角のチャンスが無駄になってしまう。

憎き太陽を朝の様にぐっ、と睨み付け、大きく息を吸い込んだ。

心臓の音がやけに高鳴っていて、すごく不思議な気持ちだ。

 

遥の後ろ姿が段々と遠くなっていく。その光景をじっと眺めるだけだなんて耐えられなかった。

「…遥ぁ!!待って!」

 

「…貴音?」

 

遥が立ち止まり、こちらをゆっくり振り向く。

 

ああもう、なんなのこの気持ち。心臓が煩くて爆発しそうだ。

 

早くしないと、日が沈んでしまう。お願い、まだ沈まないで。

 

「遥!!!私ね――」

 

 

どうにかしてよ!神様!!

 

あとがき

遅くなって申し訳ないです;;;;

色々捏造しててごめんなさい…!気に入ってもらえたら恐縮です><

 

閲覧ありがとうございました!