あの日の約束 二話
俺宛に
一通の手紙が届いた。
中には、只、どこ行きか分からないチケットが入っていた。
裕「…なんだよこれ?」
なんだか不安になった俺は、聡太に電話してみた。
裕「あのさ……」
聡「ん?」
裕「お前、今日なんかのチケットが入った封筒届かなかった?」
聡「……………………………………………………なんで裕太がしってんの?」
裕「…てことは、届いたのか?」
聡「あぁ。」
裕「俺も届いた…んだ。」
聡「…そっか。あ、そうだ!面白そうだし、行ってみねぇ?」
裕「…え?」
聡「だってさ、無料で旅行に行けるんだぜ?」
俺はしばらく考えてから、次の言葉をいった。
裕「…そうだな!良い思い出になるかも!」
―俺ってバカだよな。このあと起こることを知ってれば、こんなこと言わなかったのに―
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そのチケットに書かれた集合場所と時間に行くと、何故かクラスの皆が集まっていた。
裕「え……なんで皆いるの?」
田「なんでって……お前も届いたんだろ?」
クラスでも五月蝿い田中直樹が笑いながら言った。
神「ふふっ…お得よね。このコース…何があるかわからないけれど(クスッ」
不気味に笑っているのは、神田野乃果だ。
黒「…あ。バスが……来た…。」
黒っぽい紫色の不気味なバスがやってきた。
あたりが騒然とする
運転手の顔はよく見えなかったが、対応はわりと優しかった。
俺達はバスに揺られながら、次第に睡魔に襲われて眠りに着いた。
裕「ん……ここ…どこ……?」
目覚めると、見たこともない旅館の一室だった。
回りには、まだ寝ている
聡太や、真中翔大がいた。
裕聡太!!起きろよ!聡太!」
聡太を揺する
聡「ぅん……裕太?」
聡太は、寝ぼけながらもゆっくりと起きた。
聡「……って、ここどこだよ!」
裕「気づくのおせぇよ……」
翔「どうやら、チケットに書いてあった旅館らしいな。」
裕「…翔大……。」
聡「あれ、お前はもう起きてたんだ」
翔「あぁ。」
裕「あのさ――……」
《ジ…ジッ》
聡「……え?何……この音……スピーカー?
《みなさん−ガガッ−至急一階の大広間に−ジジッ−集合してください。》
裕「……一階の大広間…?」
翔「行ってみよう。」
聡「あぁ。」
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俺達がつく頃には、もう皆がそろっていた。
《ガコッ−それでは、これから復讐ゲームを−ジジッ−始めたいと思−ィ−マス》
ざわざわ… ざわざわ……
裕「ゲーム……?」
《ルール説明を−ジッ−します。
1.建物の敷地の外に出ないこと。
2.課題を制限時間内にクリアすること。
3.外部の者と連絡を取らないこと。
4.ーム終了までに裏切り者(犯人)を見付けること。
ヒントは、「あの日の約束」です。
尚、これらのルールが守れなかった者には、罰則を与えます。
それでは皆さん頑張って下さい。
−ブツ−》
紀「私達どうすればいいの……?」
いつも強気な紀が呟く。
黒「ねぇ、課題って…何?」
紀「わかんないよ……」
……確かに。課題が何かわかんないし…
何より、裏切り者がいるって……。
萌「ねぇ。私達の中に裏切り者がいるってこと?」
ざわざわ…
聡「あの日の約束……って、聞き覚えあるやつはいないのか…?」
あの日の約束………?
約束−……
…あの…日………約束……………?
『――!約束っ!』
『うん!約束だからね!――!』
ズキッ
裕「……なに…いまの…」
聡「どうした?」
裕「……いや、なんでもない。」
《ガコッ−それでは、課題を出題します−》
ゲームが、始まる。
二話「ゲーム開始」 終わり
〈つづく〉